月額3万円で提供。導入企業は約400社に。GT-Agency サイト活性化のキラーコンテンツ“占い”
「キラーコンテンツ」は遠くにありて思うもの。ウェブサイト運営者の多くは心の奥で、そう考えているかもしれない。サービス全体を牽引するパワーを持つコンテンツなど、偶然の産物に過ぎない、と。事実ウェブの世界では、自称「キラーコンテンツ」が次々と現れては消えていった。しかし、ページビューを200万増やし、一日に3回ユーザーをサイトへ訪問させる占いコンテンツを法人向けに提供する株式会社GT-Agency の代表取締役の村井智建氏は、おそらく意見を異にするだろう。氏にとって、「キラーコンテンツ」は綿密な分析の賜物であり、決して偶然によるものではない。
綿密なユーザー分析の賜物。リピート率の向上に効果顕著。
○占い業界を健全化する。
GT-Agency は現在、モバイルやPCサイト向けの「今日の運勢」や「今月の運勢」「タロット占い」などの占いコンテンツを約400社に提供し、同業界のリーディングカンパニーとして名をはせている。しかし2006年の会社設立当時、「占いで事業をするつもりはまったくなかった。」と村井氏は語る。その理由は占いの「いかがわしさ」にあった。当たるも八卦、当たらぬも八卦の占いで、真っ当なビジネスができるのか。その後原宿にある占い館「塔里木(タリム)」の館長から「タリムのブランドや伝統をネット展開の中でもう一度活用していきたい」と熱心に誘われ、最終的には占いビジネスに着手することを決意した村井氏は、一方で「占い業界を健全化しなければならない」と考えた。
「占いは、お金を払う側が『観ていただいてありがとうございます。』と礼を言う特殊な業界」と村井氏。そのような風潮がビジネスにそのまま持ち込まれ、メディアは著名な占い師の監修したコンテンツを、高額な料金で利用していた。村井氏によれば当時最も安価なコンテンツで月額20万円、中には月悪80万円のものもあったという。これでは占いビジネスが広がらないと考えた村井氏は、特定の占い師を主役にするのではなく、コンテンツ内容を重視することで素材調達コストを削減し、月額3万円での占いコンテンツ提供を開始した。
○月に40~50件の問い合わせが殺到
同社の存在は瞬く間に業界中に知れ渡り、月に40~50件の問い合わせが殺到したが、提供先の事業収益の貢献度が高くなければ、サービスを使い続けてもらえない、と考えた村井氏はコンテンツクオリティの向上を目指して様々な試行錯誤を開始した。例えば同じ12星座占いで表示結果を200文字、100文字、50文字で出し分けて、それぞれのトラフィックを検証した結果、50文字の場合に最もトラフィックが多くなることがわかり、現在はほとんどのコンテンツがこの文字数に収められている。またモバイルサイトユーザーの動向を徹底的に研究し「一日に3回サイトを見て、毎回ファーストビューが変わっているサイトが延びている」(村井氏)との結論に達したことから、コンテンツの更新頻度を大幅に高めた。こうした分析結果は導入各社にもフィードバックされ、運営に役立てられている。
村井氏は「ご利用いただく側のアイディア次第で、費用対効果は驚くほど大きくなります」と語る。
サービスを利用する各企業も今日の運勢をメールマガジンで朝に送信したり、相性占いをフックに活用して「友達登録」に誘導するなど、様々な工夫を凝らしてサイトの活性化を図っている。その結果、それぞれのサイトでの利用者の増加や利用頻度の向上、会員の退会率抑制などの効果が顕著に現れているという。「ユーザーは物珍しいコンテンツではなく、シンプルで使いやすいコンテンツを求めている」と村井氏。
「キラーコンテンツ」の新たなスタンダードを確立した同社は今後、導入企業を500社まで増やしていくほか、自社メディアの立ち上げを目指すという。「すべてのウェブサイトに占いを」との目標を掲げる同社の歩みはまだ始まったばかりだ。
GT-Agency 代表取締役 村井智建プロフィール
むらい・ともたけ
株式会社GT-Agency 代表取締役
大学を3ヶ月で退学後、ガイアックスに入社。営業系役員を勤め、スピンオフの形でGT-Agency を設立。「社員はたった3人で効率化をはかり、原稿管理などの手間のかかることは外部SOHO に委託しています。コンサル業務は一切やらない。コンテンツ素材屋に徹しています。」